「最近、尿に血が混じっていた気がする」
「健康診断で血尿を指摘されたけれど、症状がないので放置している」
このようなご相談は、泌尿器科ではとても多く見られます。
血尿には大きく分けて、
① 健診などで見つかる顕微鏡的血尿
② 目で見て分かる肉眼的血尿
2つがあります。
多くの場合、血尿の原因は膀胱炎や結石、前立腺の病気など、命に関わらない病気であることがほとんどです。
しかし、稀(5%以下)に、膀胱がんや腎臓がんなどの尿路悪性腫瘍が見つかることがあります。
そのため泌尿器科では、「万が一の重大な病気を見落とさない」ことを最も大切に診療を行っています。

【血尿が出たときに行う主な検査】
当院では、血尿の原因を正確に調べるために、次のような検査を組み合わせて行います。
• 検尿
• 尿細胞診
• 採血(腎機能・腫瘍マーカーなど)
• 超音波検査
• CT検査
さらに、中年以降の方で膀胱がんのリスクがあると判断された場合には、膀胱鏡検査を行い、膀胱の中を直接観察します。
【実際にあったケースのご紹介】
先日、40代の男性の方が「一度だけ肉眼的血尿が出た」とのことで当院を受診されました。
当日の検尿では特に異常は認められませんでしたが、
念のために行った超音波検査で、膀胱内に腫瘍が疑われる所見が見つかりました。
そのためすぐに膀胱鏡検査を実施したところ、膀胱内に直径約2cmの乳頭状腫瘍を確認し、膀胱がんと診断しました。
連携している慈恵医大柏病院へ速やかにご紹介し、約3週間後には内視鏡手術(経尿道的膀胱腫瘍切除術)を実施。
入院は約1週間で、幸いにも早期の膀胱がんと診断され、治療は無事に終了しています。
この方のように、「血尿が一度だけ」「検尿では異常なし」でも、重大な病気が見つかることがあります。
血尿を軽く考えず、ぜひ一度ご相談ください
血尿は、体からの大切なサインです。
多くは心配のいらない病気ですが、ごく一部に命に関わる病気が隠れていることもあります。
• 一度でも肉眼的血尿が出た方
• 健診で血尿を指摘されたまま放置している方
• 50歳以上で初めて血尿が出た方
• 喫煙歴のある方
このような方は、症状がなくても一度、泌尿器科での精密検査をおすすめします。
「これくらいで受診していいのかな?」と迷うような些細なことでも構いません。
どうぞ安心して、お気軽にご相談ください。





















