自己導尿(CIC)について・当院の取り組み/院長 岸本幸一
2025.08.14更新
こんにちは。院長の岸本です。
今回は「自己導尿(じこどうにょう)」という治療法と当院での実績や取り組みについて、
2回のコラムに分けてご紹介いたします。
〇自己導尿って、どんなこと?
通常は、トイレで自然におしっこをすることができます。
しかし、病気やけがの影響で次のようなトラブルが起きることがあります。
・おしっこがなかなか出てこない
・出たとしても、膀胱に尿がたくさん残ってしまう
このような場合に活用されるのが「自己導尿」です。
細いチューブ(カテーテル)を使って、
ご自身で尿の出口(尿道)から膀胱にたまった尿を出す方法です。
「カテーテルを使って、自分で尿を出すなんて、ちょっと怖い…」と不安になりますよね?
ご安心ください。
実際に多くの方が安全に、そして前向きに取り組まれている治療法です。
当院でも沢山の方が、安心して自己導尿を継続しています。
看護師が丁寧にサポート致しますので、不安な点、不明な点がありましたら、
遠慮なく、どんどん質問してください。
〇自己導尿には、こんなメリットがあります
自己導尿は、単に尿を出すだけでなく、次のような医学的にも大切な効果があります。
1. 腎臓を守ります
尿が膀胱に残ると、ばい菌が増えたり、腎臓に逆流し、
水腎症になり腎機能が低下することがあります。
自己導尿によって膀胱を空にすることで、腎臓の機能が悪化するリスクを減らせます。
2. 膀胱の働きを助けます
尿が残っていると、残尿が増え、本来尿を出すべく膀胱の筋肉が弱ってしまいます。
自己導尿で毎回しっかり出すことで、
膀胱が「収縮・弛緩」する本来の働きを取り戻すきっかけになり、
自身で尿が出るようになる可能性もあります。
実際、膀胱機能が改善(残尿が減ったこと)することで、
一日に自己導尿を実施する回数が減らせることもあります。
3. 尿路感染を防ぎます
自己導尿をすることで、膀胱の残尿にばい菌が入っても、
尿と一緒に流れだすことが可能となります。
そのため、感染リスクを下げることにもつながります。
次回は当院の取り組みと実績についてご報告したいと思います。