クリニックにおけるがん診療1/院長 岸本幸一
2022.09.10更新
こんにちは。院長の岸本です。
今回は、クリニックにおけるがん診療についてお話ししたいと思います。
私は大学病院に勤務している間、
大勢のがん患者さんの診療を行ってきました。
現在も大学病院の医師たちは、最前線でがん診療を行っています。
がん診療は、
手術、放射線、抗がん剤治療などを行う治療期間、
治療後に再発や転移の有無をチェックするフォロー期間、
大きく二つに分かれます。
そして、そのフォロー期間は
がんの種類によっては、長い期間を要します。
大学病院では、
日々新しいがん患者さんが来院することもあり、
以前から、がん患者さんが溢れてしまうという問題がありました。
フォロー期間の患者さんが増えていきますと、
患者さんの待ち時間が長くなってしまう、
予約が取れない、取れにくくなってしまう、等々
様々な問題が出てきてしまいます。
同時に大学病院などの医療機関にとっても、
一人一人の患者さんの診療の時間を短くせざるをえなかったり、
本来あってはいけない、質が下がる、
という悪循環を引き起こしてしまいかねない懸念があります。
こうした問題を改善するため、現在厚生労働省では、
がん医療の質の保証と安全の確保を図るための
「がん地域連携パス」の整備を推奨しています。
何やら言葉にすると難しいですね、、
簡単に言うと、、
手術、放射線、抗がん剤治療など、
重点的ながんの治療は、大学病院などのがん診療拠点病院で行いましょう。
比較的症状の安定した患者さんのフォローは、
地域クリニックや小規模病院が担いましょう。
そうして少しでも患者さんの為に、より良い環境を作りましょう、
というものです 。
当院では、地域拠点病院の慈恵医大柏病院と連携し、
術後の定期フォローや、
継続可能な薬物療法が必要ながん患者さんを、
積極的に診療しています。
それには
CTや膀胱鏡をはじめとした最新の検査機器が揃っていること、
慈恵医大柏病院の医師がほぼ毎日交代で診療していること、
なによりも大学病院との連携がスムーズであること、
それらが根底にあり、
がん診療のサポート体制は地域一、整っている施設だと自負しております。
次回に続きます。